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限外濾過法による血清/血漿8-OHdG/8-oxo-dG測定法  
【血清測定には限外濾過による前処理が必要です】
ELISAキットは血清高分子(蛋白質と推定)により正の干渉を受けます。 そのため血清サンプルおよび、 蛋白質の混入の可能性の高い異常尿の測定時には、前処理として限外濾過による 高分子成分の除去が必要となります。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 プロトコル
【実施例】
限外濾過フィルターとしては、日本ポール(株)製 ナノセップ遠心ろ過デバイス オメガメンブレン (分画分子量10KDa、Code. OD010C34)等が利用可能です。 これは分画分子量1万Daの“エッペンチューブ”型の遠心方式の限外濾過フィルターです。血清300μLをフィルターに分注し、1万Gにて30分程度 遠心して頂くと200μL程度の濾液が得られます。この濾液をそのまま、あるいはPBS(pH7.4)にて数倍に希釈して 「高感度8-OHdG Check (商品コード:KOG-HS10)」にて測定できます。濾液の測定値がそのまま血清中の8-OHdGの測定値となります。
限外濾過フィルターを準備します。 ご使用になる限外濾過フィルターの使用説明書に従い、必ず洗浄してから使用してください。
※ここではナノセップ(日本ポール/Code. OD010C34)の実施例を示しております。洗浄操作はフィルターの種類により異なります。
10,000Gにて20℃10分遠心して、蒸留水を通過させフィルター洗浄します。
遠心後、チューブ内の蒸留水を捨て、フィルターに再度蒸留水を入れ遠心、 フィルターを通過させます。
洗浄後、フィルターおよびチューブ内の蒸留水を完全に除去します。
このとき、メンブランを傷付けないよう、乾燥させないようご注意ください。
血清/血漿を300μL分注します。
※300μL以上入れると、ローターの角度によっては、血清/血漿原液が壁面を伝って濾液側に混入する場合があります。
※フィルターの洗浄からサンプル分注までの間にフィルターを乾かさないようご注意ください。
20℃にて10,000G*30分間 遠心します。
150~200μLの濾液が得られます。
※遠心中に温度が上昇するようでしたら、冷却機能付きの遠心機をご使用ください。
濾液(フィルター通過画分)をそのまま、又はPBSにて2倍希釈して 「高感度8-OHdG Check ELISA」にて測定してください。
 
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 サンプリング方法
【サンプリング上の注意点】
採血後は出来るだけ速やかに血球分離を行ってください。血液中の白血球が活性化されると活性酸素を 多量に放出する場合があり、8-OHdG値を上昇させる可能性があります。ヒト血清の場合には、採血後20分以内に遠心(3000rpm・15分・室温) を開始することをお勧めします。
血清/血漿サンプルは-20℃以下で凍結保存とし、凍結融解の繰り返しは避けてください。
限外濾過による高分子成分の除去処理は測定直前に実施するようにしてください。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 ヒト、マウス、ラット等への適用
【ヒト以外の動物血清および特殊検体への適用について】
尿以外のサンプル、ヒト以外の動物血清などへの適用につきましては、正確な測定値が得られているか、 検証作業を個別に実施されることをお奨めします。具体的には、測定対象に既知量の精製8-OHdG(キットに添付の標準物質)を添加して、 添加した量に対する、測定値としての回収率(いわゆる添加回収試験)により評価します。

添加回収率=( 添加後の測定値-添加前の測定値)÷サンプルに添加した8-OHdG濃度

添加回収率が100%付近であれば、正常に検出できていると考えられますが、異常な場合には200%などの添加回収率を示す場合があります。 このような場合の対処法として、サンプルをPBSにて希釈すると正常に検出できるようになる場合がありますのでご検討ください。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 添加回収試験の方法
【添加回収試験の実施例】
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 トラブルシューティング
【トラブルシューティング】
添加回収率が100±20%から大きく外れる場合には、血清/血漿サンプルを限外濾過したのち、PBS(pH7.4)にて 2~4倍希釈して、再度ご検討ください。殆どのケースでは希釈によって正常に測定できるようになります。
ELISAでの測定時にはバラツキを抑えるためにN=3以上での測定をお奨めします。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 参考値/基準値
【参考値】
0.1~0.3 ng/mL(ヒト健常者・社内データ)、0.7 ng/mL(ヒト腎臓疾患)
※ヒト血清中の8-OHdG濃度は非常に低く、健常者血清では検出下限以下となる場合もあります。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 参考文献
【限外濾過フィルターについて】
限外濾過フィルターとして従来推奨しておりました、Millipore社製 ウルトラフリーMC(catalog#UFC3LGC) および Microcon YM-10(catalog#42407)は販売終了となっております。代替品としましては、 日本ポール(株)製 ナノセップ遠心ろ過デバイス オメガメンブレン(分画分子量10KDa、Code. OD010C34)等が 利用可能です。商品の情報は、 Siyaku.com(和光純薬工業)にてご覧いただけます。フィルターの説明書に従い、必ず洗浄してからご利用ください。
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法 参考文献
【参考文献】
1) Suzuki K, et. al.: The relationship between smoking habits and serum levels of 8-OHdG, oxidized LDL antibodies, Mn-SOD and carotenoids in rural Japanese residents. J Epidemiol 13(1), p29-37(2003)
(喫煙者/非喫煙者を対象としたELISAキットによるヒト血清8-OHdG測定例)
2) Michael J Forlenza and Gregory E Miller: Increased serum levels of 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine in clinical depression. Psychosomat Med 68, p1-7 (2006)
(鬱病患者を対象とした血清8-OHdG測定例。健常者86名の測定値は0.20~1.26 ng/mL、平均 0.64 ng/mLを示します)
酸化ストレスマーカー 血清/血漿8-OHdG測定法
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