Rev.131017
抗酸化/酵素測定キット
Biomarkers for antioxidants and antioxidative enzymes. 日本老化制御研究所"
抗酸化能測定キット「PAO-SO」
Total Antioxidant Capacity Assay in Oil Solution
(本製品は研究用試薬です。)
【植物油は抗酸化物質の宝庫】

活性酸素(ROS)によって惹き起こされる酸化ストレスは糖尿病、がん、アルツハイマーといった 老化関連疾患や老化現象に深く関わっており、抗酸化物質は活性酸素からの生体防御に重要な役割を果たすと考えられています。 抗酸化物質は親水性/脂溶性(疎水性)といった特性から、ビタミンCやグルタチオンといった水溶性抗酸化物質と、 ビタミンE、オリザノール、カロテノイドといった脂溶性抗酸化物質に分類することができます。 水溶性抗酸化物質は過剰に摂取されると速やかに尿中に排泄されてしまう場合があるのに対し、脂溶性抗酸化物質はリポ蛋白質や 細胞膜脂質に吸着し高い生体利用性を示すと考えられています。脂溶性抗酸化物質は酸化ストレスに関連する疾患の予防に役立つことが 期待されており、例えばトマト等に豊富に含まれる抗酸化物質であるリコピン(lycopene)は、摂取により 前立腺組織に集積されること、前立腺組織におけるDNAの酸化(8-OHdG)を減少させること、前立腺がんマーカーであるPSA (prostate specific antigen)を低下させることが報告されています。リコピンの主要な摂取源はトマトであり、トマトペーストのように 油と一緒に加熱調理することで吸収性が高まることが知られています。また、オリーブオイルやゴマ油といった植物油には脂溶性抗酸化物質が 豊富に含まれており、活性酸素の消去に役立つと期待されています。
抗酸化物質の測定法にはORAC(oxygen radical absorption capacity assay)やFRAP(ferric reducing antioxidant power)をはじめ 数多くの手法が考案されていますが、それらの多くは水溶性抗酸化物質の検出用に設計されており、脂溶性抗酸化物質の測定には 必ずしも適していません。
本キットは、オリーブオイルやゴマ油といった植物油を対象に、トータル抗酸化能を直接測定することが可能です。 測定原理には銅イオンの還元反応(Cu++⇒Cu+)を採用しており、短時間(約10分)で簡便(比色法:490nm)に 測定できます。。食用油や油脂成分を多く含む食品、化粧品原料、脂溶性抗酸化物質のトータル抗酸化能の評価にご利用いただけます。
【参考文献】
1) Analysis of antioxidant activities in vegetable oils and fat soluble vitamins and biofactors by the PAO-SO method.
Kazuo Sakai, Satoko Kino, Masao Takeuchi, Tairin Ochi, Giuseppe Da Cruz, Isao Tomita
D Armstrong Ed., Adv Protocol Oxidative Stress II 594, p241-250 (2010)
品名 商品コード 所要時間 価格(税込)
抗酸化能測定キット(油脂用)「PAO-SO」 KPA-050SO 約10分間 88,000円
【ご注意】本製品は研究用試薬です。研究以外の用途(臨床検査/診断/医療行為等)には使用できません。

日研ザイル株式会社 日本老化制御研究所 〒437-0122 静岡県袋井市春岡710-1 TEL 0538-49-0125 FAX 0538-49-1267

 
【製品仕様】
● 測定対象: 抗酸化力の測定(銅イオンに対する還元力)
● 測定レンジ: ~7752μmol/L(reduction power)
● 所要時間: 約10分
● サンプル所要量: 約5μL
● テスト数: 96テスト(検量線のために6ウェル必要)
● 必要な器具: マイクロプレートリーダー(測定波長480~492nm)、8チャンネルマイクロピペット(50~250μL)、 マイクロピペット(10~50μL用)、プラスチック試験管など
● 保存条件: 冷蔵(2~10℃)(有効期限は製造日より3年間)
【ご注意】本製品は研究用試薬です。研究以外の用途(臨床検査/診断/医療行為等)には使用できません。