Rev.131017
脂質酸化損傷マーカー
Biomarkers for lipid oxidation. 日本老化制御研究所"
MDA測定キット(TBARS法)
Malondialdehyde Assay Kit
(本製品は研究用試薬です。)  
【代表的な脂質過酸化マーカー】
マロンジアルデヒド(malondialdehyde: MDA)は脂質過酸化分解生成物の一つであり、 脂質過酸化の主要なマーカーとして広く用いられています。
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は活性酸素種/フリーラジカルによる酸化を受けやすく、例えばヒドロキシラジカル (HO・)と容易に反応して脂質ペルオキシラジカル(LOO・)を形成します。この脂質ペルオキシラジカル(LOO・)は、さらに 別の多価不飽和脂肪酸(PUFA)と反応して脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)と脂質ペルオキシラジカル(LOO・)を形成します。 また、脂質ペルオキシラジカル(LOO・)は分子内2重結合に反応して環状エンドペルオキシドを形成し、これがさらに分解されて MDAが形成されます。
【測定原理】
本キットはサンプル中のマロンジアルデヒドをチオバルビツール酸(TBA)と反応させることで MDA-TBA2付加体を形成させます。この付加体は532nmの波長付近に強い吸収を持つことから、分光学的にMDAを検出します。
バッファーや培養上清などのサンプルでは、532nmの吸光度を測定することでMDAを簡単に検出できます (左図 青線)。一方、尿、血漿、組織ホモジネートといったサンプルでは、バックグラウンドの吸収が高くなるケースがあります (緑および赤線)。このようなケースでは、分光光度計により400~700nmの吸光スペクトル(分解能1nm)を測定し、 3rd delivative analysis(3次微分解析)を行うことで、MDA-TBA2付加体のシグナルを正確に検出できます。
品名 商品コード 測定波長 価格(税込)
MDA測定キット(TBARS法) KMD-008W 532nm又は400~700nm吸光スペクトル 88,000円
MDA測定用ELISAキット KMD-493K 450nm 血清/血漿MDA検出に最適
※上記TBARSキットとは測定原理が異なります
抗MDAモノクローナル抗体 MMD-030n 30μg マウス由来IgG。全動物種に適用可能。 44,000円
尿/血清 MDA受託検査 測定原理:TBARS法/検体提出量:1.5mL(最少0.5mL)
動物検体対応可能。最少検体数:10
7,700円

【製造元】:Northwest Life Science Specialities LLC, USA

 
 
【製品仕様】
● 測定対象: マロンジアルデヒド
● 測定原理: TBA反応生成物を用いた分光分析
● 測定レンジ: 0.08~10μmol/L
● 所要時間: 約1.5時間
● サンプル所要量: 250μL
● テスト数: 200テスト
● 必要な器具: マイクロプレートリーダー(測定波長532nm)または分光光度計(400~700nm)
ヒートブロック又はウォーターバス(60℃)、マイクロピペット(10μLおよび250μL用)、エッペンチューブ用遠心機
※サンプルの種類により単波長測定か、スペクトル測光かを選択します。
● 保存条件: 冷蔵(2~8℃)
【キットの構成】
1)TBA試薬: 2-thioberbituric acid (5本) 蒸留水10.5mLを加え、よく攪拌して溶解します。
2)BHT試薬: Buthylated hydroxytoluene溶液(2.5mL) そのまま使用します。
3)酸試薬 1M リン酸溶液(10mL*5本) そのまま使用します。
4)アッセイバッファー: EDTA含有 リン酸バッファー pH7.0(125mL) そのまま使用します。
5)キャリブレーター: Tetramethoxypropane溶液(0/1/2/3/4μM MDA当量) そのまま使用します。
【測定手順】
Step 1) エッペンチューブにBHT試薬を10μL分注します。
Step 2) キャリブレーターまたはサンプルを250μL添加します。
Step 3) 酸試薬を250μL添加します。
Step 4) TBA試薬を250μL添加します。
Step 5) ボルテックスでよく攪拌します(約5秒)。
Step 6) 60℃にて60分間インキュベートします。
Step 7) 10,000 Gにて2~3分遠心します。
Step 8) 532nmの吸光度または400~700nmの吸光スペクトル(推奨:1~2nm 間隔)を測定します。
Step 9) 吸光データから、MDA濃度を算出します。
【参考文献】
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【ご注意】本製品は研究用試薬です。研究以外の用途(臨床検査/診断/医療行為等)には使用できません。