【腫瘍壊死因子-α(Tumor Necrosis Factor - alpha:TNF-α)とは?】
腫瘍壊死作用を有する活性化マクロファージ由来のサイトカインとして見出された、炎症性サイトカインの一つです。
主に活性化されたマクロファージによって産生される他、単球、T細胞やNK細胞、平滑筋細胞、脂肪細胞においても産生されます。
TNF-αは前駆体である膜結合型TNF-α(mTNFα:25kDa)として産生されたあと、
カルボキシル末ドメインが切断され、可溶性TNF-α(sTNFα:17kDa)に変換されます。
mTNF-αとsTNF-αはいずれも生理活性を有し、血中ではホモ3量体を形成します。
最も強力な生体反応のメディエーターのひとつであり、侵襲やLPS刺激等により速やかに増加します。
TNF-αはIL-1やIL-6、 IL-8、 IFN(interferon)等、他の炎症性サイトカインの産生を刺激するほか
血液凝固亢進、PGE2(prostaglandinE2)やPAF(platelet-activating factor)の産生増強など、多彩な作用を示します。
一方、TNFの過剰な産生は膠原病、川崎病、髄膜炎、マラリア、悪液質、AIDS、多臓器不全などの病態に関連することが知られています。
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項目名 |
検体の種類 |
動物種 |
保存 方法 |
検査 方法 |
検査 施設 |
検査費用 (税込) |
備考 |
TNF-α(高感度) |
血清0.3mL注1) ※単独検体 |
ヒト |
凍結 |
EIA |
B |
13,200円 |
参考値:1.1未満 単位:pg/mL 測定下限:0.2 |
TNF-α |
EDTA血漿0.5mL |
ヒト |
凍結 |
CLEIA |
M |
13,200円 |
参考値: 単位:pg/mL 測定下限:0.55 |
唾液0.2mL ※最少検体数:10件 |
ヒト |
凍結 |
ELISA |
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(問合せ) |
参考値:なし 単位:pg/mL |
血清/血漿 0.5mL ※最少検体数:10件 |
動物注2) |
凍結 |
ELISA |
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(問合せ) |
参考値:なし 単位: |
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※上記検査項目につきましては予告なく改廃される場合があります。ご注文の際には、予め弊社担当者まで仕様、価格、納期をご確認ください。
注1)真空採血管には分離剤が入っていないものをご使用ください。
TNF-αは分離剤に吸着する場合があり、低濃度のTNF-αを測定する際、正しく測定できない可能性があります。
健常者を測定対象とする場合には、高感度TNF-αを推奨します。
注2)各動物種用の測定キットを用いて測定します。
上記以外の動物種につきましても、対応できる場合があります。個別にご相談ください。
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※「単独検体」の記載のある項目について
検体の凍結融解は、測定値に影響を与えます。新鮮血清を、本項目専用に分注、凍結してご提出ください。
※「最少検体数」の記載のある項目について
特注検査のため、最少検体数以上にてお申込みください。 最少検体数未満でご依頼の場合には、
最少検体数分の検査費用がかかる場合があります。
最少検体数10件の場合: 1~9件の費用 = 単価 x 10件分の費用がかかります。
基準値、参考値はありません。研究用試薬を用いた分析のため、ロット差、バッチ差等が出る可能性があります。
検体の性状等により、誤差を含む可能性や、検出下限以下になる可能性もあります。
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技術情報 |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
高感度と通常感度の違い: |
健常者(または炎症の所見のない被検者)を対象とする場合、通常感度の測定法では
検出下限以下になる場合があります。試験の目的により、お選びください。 |
2 |
分離剤への吸着について: |
TNF-αは、血清用真空採血管の分離剤に吸着する場合があります。
特に低濃度のTNF-αを測定する場合、吸着が測定値に影響を与える可能性があるため
分離剤なしの真空採血管の使用をお奨めします。尚、採血後直ちに血清分離をする場合には
分離剤入りの採血管でも問題ありません。
血清での採取が困難な場合には、EDTA血漿をお選びいただくことも可能です。
分離剤を用いないため、吸着の心配はありませんが、下記のように「参考値」扱いとなります。 |
3 |
血漿検体での高感度測定: |
高感度TNF-αは、EDTA血漿にも適用可能です。ただし、血清用に確立された
測定系のため、「参考値」扱いとなります。 |
4 |
ヘパリンについて: |
ヘパリンの本測定系への影響に関する情報はありません。 |
5 |
単独検体での提出: |
高感度TNF-αは凍結融解の影響を受けます。このため、1本の検体で複数の項目を
測定するのではなく、高感度TNF-α専用に検体をご用意いただく形になります。
例外として、高感度IL-6は同一ラボにて測定しますので、高感度IL-6と高感度TNF-αをご依頼の際には
1本の血清検体にて測定可能です。
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6 |
血漿検体の安定性: |
血漿検体(通常感度)を調製する際には、遠心分離は当日中に実施してください。
凍結融解の影響はありません。 |
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