抗酸化物質の測定法にはORAC(oxygen radical absorption capacity assay)やFRAP(ferric reducing antioxidant power)をはじめ 数多くの手法が考案されています。活性酸素/フリーラジカルには、スーパーオキサイドアニオン、過酸化水素、次亜塩素酸、ヒドロキシラジカル、 ペルオキシルラジカル、パーオキシナイトライト等があり、抗酸化物質との反応性は、ラジカルの分子種によってそれぞれ異なります。 このため、抗酸化物質の「抗酸化性」は測定法によって異なる場合があり、より正確に抗酸化性を評価するためには、複数の測定法で 検証することが重要と考えられます。本キットは、ペルオキシルラジカルに対するトラッピング活性 (Total Radical-Trapping Antioxidant Parameter: TRAP)を指標として抗酸化性を検出します。
スーパーオキサイドアニオンは、呼吸鎖における電子伝達過程や、好中球、マクロファージの活性化において 発生するフリーラジカルであり、 DNA、蛋白質、脂質などの生体分子を酸化させることが知られています。スーパーオキサイドジスムターゼ(super oxide dismutase: SOD)は スーパーオキサイドアニオンを分解する酵素であり、 活性酸素に対する生体防御において重要な役割を果たしていると考えられます。 本キットは、ヘマトキシリンの自動酸化抑制反応によりスーパーオキサイドの消去活性を測定するキットです。
カタラーゼ(catalase)は生体内において過酸化水素の分解する機能を担っており、2分子の過酸化水素を、2分子の水と1分子の酸素に 分解します(不均化反応)。カタラーゼは殆ど全ての好気性生物に存在することから、活性酸素から生体を守る上で最も重要な抗酸化酵素の 一つであると考えられています。
グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase: GPx)は活性中心にセレンを有する酵素で、グルタチオン(GSH)の存在下で 過酸化水素(H2O2)を水に還元するほか、過酸化脂質(LOOH)を還元する機能を有し、 また近年、高齢者(女性)において加齢に伴い全血中のGPx活性が低下することが報告されています。 生体内において重要な抗酸化作用を担っていると考えられています。本キットはPagliaらにより報告された測定法を応用したもので、 340nmにおける吸光度(NADPH)の低下を測定することで、GPxの酵素活性を高感度に検出します。
グルタチオンは細胞内における主要な抗酸化物質であり、その殆どが還元型で存在しています。 グルタチオンレダクターゼ(glutathione reductase: GR)はグルタチオンを酸化型から還元型に変換する作用を持ち 生体内における抗酸化防御に重要な役割を果たしていると考えられています。 本製品は組織ホモジネート、細胞懸濁液中のグルタチオンレダクターゼの活性を測定するキットです。
グルタチオン(glutathone: GSH: γ-glutamylcysteinylglycine)はペプチド性のチオールであり、細胞内における主要な抗酸化成分です。 また細胞内における毒物/薬物の細胞外への輸送、抗酸化防御、放射線防護、蛋白質フォールディングの促進に関わっていることが知られています。 本製品はサンプル中のトータルグルタチオン(酸化型 + 還元型)を測定するキットです。また、サンプルを予め4-vinylpyridineで 処理することで、酸化型グルタチオン(GSSG)のみを検出、酸化型(GSSG)と還元型(GSH)の比率を評価することも可能です。
本キットはヒトおよび動物由来の血漿ビタミンC濃度を測定します。血液中においてビタミンCはアスコルビン酸およびデヒドロアスコルビン 酸の形で存在しますが、本キットでは測定前に全てデヒドロアスコルビン酸に変換して測定しますので、アスコルビン酸+デヒドロ アスコルビン酸のトータル量を測定します。