こちらでは酸化ストレスマーカーの技術情報、学術情報をご紹介しております。皆様のご研究に役立てて頂ければ
幸いです。 またよろしければ、学会や論文等で発表された内容をご紹介頂ければ大変ありがたく思います。
ご質問・コメントなどお気軽にお送り頂けると助かります。
biotech@jaica.comまでお気軽にお知らせください。
対象となるマーカーも徐々に増やしていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
弊社は本ホームページおよび製品、添付文書等を作成するにあたり細心の注意を払っておりますが、これらによる損害が万一発生した場合でも、
弊社は責を負いませんので予めご了承ください。また、製品の価格、仕様、試薬構成、測定手順等は、製造元の都合により予告無く変更される
場合があります。 |
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受託検査:CoQ10酸化率 |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
サンプルの採取および輸送 |
サンプルには、血清またはヘパリン血漿を利用できます。
CoQ10酸化率の測定には、採血時の取扱いが非常に重要です。採血後は速やか(採血後15分以内)に
遠心分離を開始し、採血後30分以内に血清/血漿をディープフリーザー(-80℃)またはドライアイス中にて
凍結してください。家庭用冷蔵庫(~-20℃)では保存できません。検体輸送時にも、搬送容器に
必ずドライアイスを充填してください。保冷剤では輸送中に劣化が起きる場合があります。
-80℃における保存期間は数ヶ月~半年以内を目安としてください。長期間保存されると、酸化率が上昇する
可能性があります。
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2 |
動物検体への対応 |
動物由来検体でも測定できる可能性があります。個別にご相談ください。
ヒトではCoQ10が主に存在するのに対し、動物種によってはイソプレノイド単位が9の
CoQ9が含まれることがあります。動物種や、検体の性状により、検出できないケースや
正しく測定できないケース、測定機器に悪影響を与えるものがありますので、ご依頼の前に
必ず事前にご相談ください。
動物種によるコエンザイムQの違いにつきましては、下記論文に記載されております。
Natural distribution and occurrence of coenzyme Q homolohues.
M Battino, et. al: Membrane Biochem 9,p179-190(1990). DOI: 10.3109/09687689009025839
ヒト、サル、ブタ、ウマ、ウシ、鳥: CoQ10
ラット: CoQ9, CoQ10, 臓器によりCoQ8等
ハムスター:CoQ9, CoQ10
マス、ウナギ:CoQ10
原生動物:CoQ8
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3 |
対応可能なサンプル種別 |
測定実績のある検体種は下記の通りです。
1) 血清、ヘパリン血漿
2) 卵胞液
下記検体につきましては、お引き受けいたしかねます。予めご了承ください。
1) 組織、培養細胞
2) 髄液
3) 食品、サプリメント
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4 |
検体量が少ない場合 |
CoQ10酸化率測定の検体必要量は1mLですが、どうしても確保の難しい場合には希釈測定を行います。
最少 50μLまで対応いたしますが、希釈による検出力の低下、特に酸化型CoQ10について計測誤差が
大きくなる可能性、検出下限以下になる可能性が出てきます。予めご了承ください。
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【参考文献】 |
1) |
Redox status of Coenzyme Q10 is associated with chronological age.
H Wada, H Goto, S Hagiwara and Y Yamamoto: J Am Geriatrics Soc. 55(7),p1141-1147(2007)
CoQ10酸化率測定法 |
2) |
Plasma Coenzyme Q10 levels in patients with multiple system atrophy.
Jun Mitsui, Takashi Matsukawa, Tsutomu Yasuda, Hiroyuki Ishiura, Shoji Tsuji: JAMA Neurol.(2016)
doi:10.1001/jamaneurol.2016.1325
多系統萎縮症(代表的な神経変性疾患の一つ)において、患者血漿CoQ10濃度は
健常対照に比べ有意に低いことが示されています。 |
3) |
Coenzyme Q10 prevents hepatic fibrosis, inflammation, and oxidative stress in a male rat
model of poor maternal nutrition and accelerated postnatal growth.
Tarry-Adkins JL, Fernandez-Twinn DS, Hargreaves IP, Neergheen V, Aiken CE, Martin-Gronert MS, McConnell JM, Ozanne SE :
Am J Clin Nutr.103(2),p579-588(2016).
doi: 10.3945/ajcn.115.119834
げっ歯類ではCoQ9です。 |
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受託検査:脂溶性抗酸化物質分析 |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
動物検体への対応 |
ヒト用の検査装置にそのまま適用して測定します。基準値、参考値はありません。
また、検体の性状等により検出されない可能性や誤差等を含む可能性もありますので予めご了承ください。
特に実験動物において、通常、ヒト血清中に見られない化合物、代謝物がある場合には、
測定値に影響を与える可能性があります。
検査費用:
1項目6,000円(税別)/件
2項目8,000円(税別)/件
3項目10,000円(税別)/件
4項目12,000円(税別)/件
測定原理上、動物間での種差はないと考えられますが、経験上、動物種により測定値が大きく異なる場合があります。
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2 |
動物検体での測定実績 |
・ビタミンA: マウス、ウシ
・βカロテン: ラット、ウシ
・ビタミンE分画: ラット、ウサギ
・リコピン: ラット(血清/組織)
・ルテイン/ゼアキサンチン: マウス
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3 |
検体必要量について |
HPLC法による一斉分析を行いますので、項目数に関わらず、検体必要量は0.5mL(最少0.2mL)です。
0.5mL未満の場合には希釈測定等により対応いたしますが、項目、動物種によっては検出下限以下に
なる可能性もありますので、予めご了承ください。
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4 |
ルテイン+ゼアキサンチンについて |
本項目は、ルテインとゼアキサンチンの合計値をご報告いたします。それぞれの数値は出ませんので
ご注意ください。
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5 |
組織サンプルについて |
組織サンプルにつきましては、通常、お引き受けしておりませんが、項目により対応可能な場合があります。
個別にご相談ください。
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受託検査:血清総抗酸化能(STAS) |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
測定原理 |
STASとはSerum Total Antioxidantの略で、文献上はSTAS、TAS、ABTS法など、幾通りかの表現が
使われています。本法で使用する基質(ABTS)は、過酸化水素(H2O2)の存在下で
ABTSラジカルを形成し、600nmにおける吸収を示します。血清サンプル中に抗酸化物質が含まれると
ABTSラジカルの形成が抑制されることを利用して、血清中の総抗酸化能を測定します。
主に過酸化水素に対する消去能、ABTSラジカルに対する消去能を検出すると考えられます。
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2 |
他の抗酸化測定法との違い |
抗酸化測定法には、総抗酸化能測定法PAOをはじめ、ORAC法、DPPHラジカル消去活性、SOD活性、
TRAP法、FRAP法、CUPRAC法、TEAC法、TOSC法、LDL酸化抑制法、化学発光法など、様々な方法が
知られています。これは、活性酸素種、フリーラジカルの分子種が複数あることに加え、
抗酸化物質の構造、作用機序も多彩であることから、単一の測定法では「抗酸化」を十分に
検出することが難しいためです。このため、抗酸化物質の成分が異なる食品(農産物抽出液など)を
異なる抗酸化測定法で測定すると、必ずしも相関関係が見られないケースが出てきます。
現在のところ、抗酸化物質の評価には、測定原理の異なる複数の方法で見るのが良いとされています。
本法(STAS)は過酸化水素/ABTSラジカルに対する消去作用を指標としており、総抗酸化能測定法PAOは
還元力(1電子供与能)を指標としており、検出特性が異なると考えられます。
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受託検査:アスタキサンチン |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
動物検体への対応 |
サンプルには、ヒトまたは動物由来の血漿、血清を使用できます。
現在のところヒト、マウス、ラットに対応可能です。
これ以外の動物種につきましては、予めお問合せください。動物種によっては
検出下限以下になる場合があります。研究検査ですので基準値、参考値等はありませんので
予めご了承ください。
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2 |
検体必要量について |
原則として、血清または血漿1.0mLが必要ですが、少量でも検出できるケースがあります。
個別にご相談ください。
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受託検査:血清酸化度(dROMs test)および抗酸化能(BAP test) |
No. |
【タイトル】 |
【内容】 |
1 |
対応可能なサンプル |
血清、血漿(EDTA血漿を除く)を測定可能です。
採血後は速やかに遠心、血清/血漿を分注凍結してください。
保存は-20°C以下(-80°C推奨)です。1年程度安定であることが報告されています。
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2 |
検体必要量について |
原則として、血清または血漿 各0.3mLが必要ですが、1回分析当たりの使用量はdROMが20μL、
BAPが10μLです。
指先採血など、微量血清でも対応できる場合があります。
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3 |
既知の影響因子について |
血清dROMsは、ビリルビン-C、溶血ヘモグロビン、アスコルビン酸による
負の干渉を受けることが知られています。
血清BAPはビリルビン-C、ビリルビン-Fによる正の干渉、ヘモグロビン、乳びによる
負の干渉受けることが知られています。 特にBAPに対する乳びの影響が大きく、
検体の性状により、低濃度域への乖離値を示す場合や、測定できない場合があります。
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【参考文献】 |
1) |
Cornelli U, Terranova R, Luca S, Cornelli M, Alberti A:
Bioavailability and antioxidant activity of some food supplements in men and women using the D-Roms test as a marker of
oxidative stress.
J Nutr 131(12),p3208-3211(2001)
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2) |
Kamezaki F, Yamashita K, Kubara T, Suzuki Y, Tanaka S, Rkouzuma R, Okazaki M, Tasaki H, Otuji Y:
Derivatives of reactive oxygen metabolites correlates with high-sensitivity C-reactive protein.
J Atheroscler Thromb 15(4),p206-212(2008) |
3) |
Kanaoka Y, Inagaki E, Hamanaka S, Masaki H, Tanemoto K:
Analysis of reactive oxygen metabolites (ROMs) after cardiovascular surgery as a marker of oxidative stress.
Acta Med Okayama 64(5),p323-330(2010) |
4) |
Vassalle C, Bianchi S, Battaglia D, Landi P, Bianchi F, Carpeggiani C:
Elevated levels of oxidative stress as a prognostic predictor of major adverse cardiovascular events in patients with coronary
artery disease.
J Atheroscler Thromb 19(8),p712-717(2012) |
5) |
Ohara M, Watanabe K, Suzuki T, Sekimizu K, Motoyama M, Ishii K, Sawai K, Nakano H, Oba K, Mizuno K:
Improving in the fasting, but not the postprandial, glucose level is associated with reduction of plasma d-ROMs level in patients
with type 2 diabetes.
J Nippon Med Sch 80(3),p200-210(2013) |
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